保育料の計算に必要な住民税の仕組みを簡単に説明

保育料は住民税(市町村民税+都道府県民税)の額で決まります。ここでは、保育料の決定に利用される住民税の仕組みについてざっくりと紹介したいと思います。

以下の記事で保育料の仕組みの基本について説明していますので事前にご覧ください!

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住民税は保育料の計算に利用されますが、住民税自体は日本に住む限りこれからもずーっとお付き合いしなければならない税金です。この際、保育料の話をするついでに住民税の仕組みも理解してしまいましょう!

※この記事は、一般的な会社員など給与から税金が自動的に天引きされている方を対象にしています。会社員だと税額の計算などは会社側で自動的に行ってしまうのでその仕組みについてどうしても理解が及ばなくなってしまいます。自営業などで自ら確定申告をされている方にとっては当たり前の内容になっていると思います。

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住民税とは?

世の中には様々な税金がありますが、住民税はお住いの市町村や都道府県に納めるべき税金です。

住民税と似た税金として、国に納める税金は所得税と言います。

所得税と住民税は、仕組みが似ていて非常に紛らわしい税金です。ということで、まずはこの2つの違いについて説明しましょう。

所得税

所得税は、1月〜12月の収入額などに応じて決定される税金です。なので12月を過ぎないと税額が確定しないわけですが、実際の納税は税額が確定する前の1月から行われます。

12月になって税額が確定するまでの間は、一定の条件の下で計算された仮税額を支払い続けることになります。12月末になると税額が確定するので、それまで仮税額で納めた金額と確定した金額を比較し、会社側で差分を追納や還付などで調整してくれます。これがいわゆる年末調整というやつです。

年末調整をして税額を確定させたら、翌年1月に前年1月〜12月に給与から天引きされた所得税のお知らせが届きます。これがいわゆる「源泉徴収票」というものになります。

所得税は、累進課税制度が採用されています。ようするに、「収入が高い人の方が税額が高い!」ってことです。年収2000万になると税率40%とかいうトンデモない税率になったりします。

住民税

住民税は、6月〜翌5月のサイクルで支払う税金で、市町村と都道府県に支払う税金です。

1月〜12月分の収入状況などを踏まえて、翌6月〜翌々5月の間で税金を支払います。つまり、収入状況が税金に反映されるのに一年ほどのタイムラグが発生していることになります。

5月になると会社から「給与所得等に係る市町村民税・都道府県民税特別徴収税額の決定通知書」という長ったらしいタイトルの紙が渡されますが、この中に書かれている年収や扶養状況は一年前のもの(扶養状況は厳密には前年12月末の状況)なので見るときに注意が必要です。そして、「給与所得等に係る市町村民税・都道府県民税特別徴収税額の決定通知書」に書かれている税額が6月〜翌5月の間、給与から天引きされる税金の額になります。

税率は、所得税とは違い収入額に関わらず一律で10%です。市町村分が6%、都道府県分が4%で合わせて10%になっています。

住民税の仕組み

次に、住民税の計算方法の概要を説明します。住民税は以下の計算式により計算されます。用語については、以下で説明していくので分からなくてもそのまま読み進めてください。

「住民税の額」={(「①年間収入」−「②所得控除」)×0.1(10%)}−「③税額控除」

 ①年間収入

1月〜12月の収入のうち税金の計算対象となる収入を言います。基本給やボーナスの他、会社から支給される住宅手当や扶養手当も含まれます。(通勤手当は税額計算時には収入に含めない場合があります。)ちなみに、会社以外のところから支給される手当は除外されます。出産育児一時金や育児休業給付金などは税金計算時には収入から除外されます。

意外と忘れがちなのは扶養手当とか住宅手当が収入として含まれる点です。手当が支給されても実は支給額の一定割合は税金で持っていかれることになります。

②所得控除

①年間年収に税率を掛けてしまうと税額が高くなってしまうので、それを調整するのが所得控除です。

所得控除と一言で言っても、いろんな種類の控除があります。ここでは代表的なものだけ軽く説明します。

給与所得控除

サラリーマンとして働くにあたって必要な経費相当分を控除します。例えば、お昼ご飯やスーツ、飲み物代、通勤用の車などなどは仕事をするにあたっての必要経費になります。

ただし、実際にかかった経費ではなく、あくまで決まった計算方法で計算された経費相当と思われる額が控除されます。

扶養控除

同居している親や配偶者などを税法上の扶養として登録すると控除を受けることができます。「扶養するのにもお金がかかるんだから税金は安くしてあげよう」という仕組みです。

③税額控除

「①年間収入」ー「②所得控除」をしたら、その金額に税率を掛けます。住民税は10%の税率です。

税率を掛けたら税額が計算されるわけですが、実はここからさらに控除を受けられます。それが税額控除です。

有名なのはふるさと納税による寄付控除でしょう。余談ですが、ふるさと納税は、一度利用すると「なんでみんな利用しないの?」と思ってしまうほどの節税効果があります。

残念ながら、保育料を計算する際は税額控除の額は加味されません。ふるさと納税を利用して税額を安くできたとしても保育料はふるさと納税による税額控除がないものとして計算された税額で決められてしまいます。

節税するにはどうすれば良いか

さて、住民税の仕組みがわかったところで次に考えるのは「税金ってもうちょっと安くならないの?」という点でしょう。

上で説明した住民税の仕組みを見ていくと、節税をするには、「収入を減らす」か「控除を増やす」の2つの方法しかありません。

収入を減らすのはナンセンス

一般のサラリーマンでは、自分の収入をコントロールすることは難しいので現実的な手法ではありません。そもそも、収入を減らしたら、税金も安くなるけど手元に残るお金も少なくなってしまいます。

控除の取りこぼしをなくす

控除の仕組みをしっかりと理解し、受けれる控除はすべて受ける。これが節税の王道です。細かい節税方法は他にもありますが、スタンダードな節税は控除をしっかりと受けることにある・・・というのが私の持論です。

まとめ

このサイトは保育料について書かれているサイトですが、保育料は市町村民税の金額で決定されるので必然的に税金の話をせざるを得ません。節税の方法なども一部紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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