保育料の計算(試算)をする前に、必要最低限知っておいて欲しい基礎知識を紹介します。ここで紹介する内容は、保育所の申し込みする際に、多くの自治体がパンフレットや冊子などで紹介している内容です。
「そんな話もう知ってるよ!」って人は、読み飛ばしちゃっってください。ただし、自治体の資料ってわかりにくいものが多いですので、逆に保育料の理解度について不安を感じる方は是非目を通して見てくださいね。
保育料は市町村民税の税額で計算する
保育料は市町村民税の額で計算します。(平成26年度以前は、所得税の額で計算していました)
市町村民税とは?
私たちが納めなければならない税金には大きく3つの種類があります。
それぞれ
- 市町村民税(市町村に納める税金)
- 都道府県民税(都道府県に納める税金)
- 所得税(国に納める税金)
の3種類。保育料は、このうち市町村民税によって計算されます。
私たちは、これらの税金を「所得税」と「市町村民税+都道府県民税」という2つの区分によって納めています。ここでは、「市町村民税+都道府県民税」のことを合わせて「住民税」と呼ぶことにします。
自分の市町村民税の額を確認する
さて、保育料の計算に必要な市町村民税額はどのようにして確認するのでしょうか。
私たちは通常、市町村民税に都道府県民税を加えた住民税を税金として払っています。なので、保育料の計算に必要な市町村民税の額を確認するには、「私たちが払っている住民税のうち、どれだけが市町村民税なのか?」を確認する必要があります。
確認方法は2通り。サラリーマンなどで給与から税金が天引きされている方と自営業などで自分で税金を払っている方で方法が異なります。
サラリーマンなど給与から税金が天引きされている方
給与から税金が天引きされる場合、特別徴収税額決定通知書という住民税の内訳が記載された書類を所属会社から貰えます。
この特別徴収税額決定通知書を見ることで自分の市町村民税を確認することができます。自動的に給与から税金が天引きされてしまうと、特別徴収税額の決定通知書なんて全く見ない人もいると思いますが、保育料の計算だけでなく、様々な場面で使う可能性のある大事な書類なので失くさないようにしましょう。
自営業など自分で税金を払っている方
自分で税金を払っている場合、毎年6月にお住いの自治体から納税通知書という書類が送られてきます。
この納税通知書の内容を確認することで、市町村民税の額を確認することができます。
それぞれの書類の見方(市町村民税の確認方法)は、以下の記事を参考にしてください。
保育料は9月に更新される
保育料は、毎年9月に計算に利用する市町村民税を最新の金額に更新していきます。
4月〜8月分の保育料:前年度分の市町村民税を利用
9月〜翌年3月分の保育料:現年度分の市町村民税額を利用
という感じになります。これだとわかりにくいですが、具体例を挙げるとわかりやすいと思います。
(具体例)
平成29年4月〜8月分の保育料:平成28年度分の市町村民税を利用
平成29年9月〜平成30年3月分の保育料:平成29年度分の市町村民税を利用
市町村民税は、一年前の年収ベースで計算される!
市町村民税は、一年前の年収ベースで計算されます。
つまり、平成29年度の市町村民税は平成28年の1月〜12月の年収をベースに計算されています。
ということは、保育料と年収の関係はこんな感じになります。
平成29年4月〜8月分の保育料:平成27年の年収ベース(平成28年度分市町村民税)
平成29年9月〜平成30年3月分の保育料:平成28年の年収ベース(平成29年度分市町村民税)
4月〜8月分の保育料に関しては2年前の年収ベースで計算されますので、最新の家計状況で保育料は計算されませんので注意が必要です。保育料は、最新の家計状況ではなく、一昔前の家計状況で計算されるのです。
勘違いが多いのは次のようなケースです。
母の平成27年の年収は400万でした。子供が生まれ、平成28年3月に育児休業を取得したため、平成28年の年収は激減しました。そして、平成29年4月から育児休業から復帰し、子供を保育所に預けることにしました。
この場合、平成29年4月〜8月の保育料は平成27年中の年収で計算されるので平成28年中の育児休業に伴う収入源は一切考慮されません。つまり、4月〜8月は収入がなかったにもかかわらず高い保育料を払う必要があります。逆に9月から翌年8月の間は、育休復帰して働いているにもかかわらず保育料は、育児休業で年収が減っていた頃の年収ベースで保育料が計算されます。
保育料と市町村民税の仕組みを理解し、保育所に入った後に「えっ!?なんでこんな保育料が高いの・・・」ということにならないようにしましょう!
税額以外に知っておくべきこと
保育料は市町村民税の金額によって計算されますが、そのほかに保育料に影響を与えるものとして、
- 子供の年齢【年度当初(4月1日)の年齢】
- 保育必要量(標準or短時間)
- 世帯の子供の人数
- 子供から見た祖父母等の同居の有無
が挙げられます。これらの事項と保育料との関係については、以下の記事で解説しています。
(保育必要量と保育料)
(子供の人数と保育料)
(祖父母と同居している場合の保育料)
自治体独自の軽減制度
このほか、自治体独自で保育料を安くしている場合があります。自分が利用できる軽減制度がないか、自治体から配布される資料などでしっかりとチェックしておきましょう!
試しに自分の保育料を計算してみよう
子供を保育所に入れたら一体保育料がいくらかかるのか?
このサイトのトップページから、お住いの自治体を選んで保育料を計算することができます。