保育料の多子世帯軽減の仕組みが超わかりにくい件

保育料には多子軽減と呼ばれる保育料軽減制度が存在します。子供がたくさんいる世帯は保育料を安くしますよーという制度です。

この多子軽減、実はなかなか複雑な仕組みになっていて、ちゃんと理解しておかないと保育料を計算するときに苦労します。

ここでは、その多子軽減の仕組みついて解説します。

保育料は各自治体で決めるものなので、多子軽減の仕組みは自治体ごとに微妙に違ったりするのですが、大まかな仕組みはおおむね全国共通になっています。

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第2子は半額、第3子は無料

第2子の保育料は、第1子の半額となります。自治体によっては軽減率が異なることがありますが、いずれにしても第1子よりも保育料は安くなります。

第3子の保育料は無料になります。保育料の仕組み上、第3子無料は全国共通です。自治体によって仕組みが異なる・・・ということはありません。

これだけならとっても簡単な仕組みなんですが、「第2子」とか「第3子」の子供の人数の数え方が実は複雑なんです。単純に実際の子供の人数・・・というわけにはいかないのです。

保育料計算上の子供の人数の数え方

次に「じゃあ具体的にどうやって保育料計算上の子供の人数を算定するの?」という疑問に答えていきます。

これも自治体ごとに微妙に仕組みが違ったりしますが、ほとんどの自治体は国(厚生労働省・内閣府)が示す基準に準拠しています。ここではその基準について紹介します。

 世帯年収(市町村民税額)によって数え方が変わる!

子供の人数の数え方は、世帯の年収(市町村民税額)で異なります。国は年収360万を境に、子供の人数の数え方を変えることにしています。

保育料は、市町村民税の額で計算されます。国では、年収360万相当の市町村民税所得割額を57,700円と考えているので、この税額を境に子供の人数の数え方が変わってきます。

保育料と市町村民税の関係がわからない方はこちらの記事を参考にしてください。

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市町村民税所得割が57、700円未満のとき

世帯(父母)の市町村民税額が57、700円未満の場合、子供の人数は「親と生計を同じくしている子供」の人数を数えます。年齢や同居・別居は不問です。ただし、別居している子供を人数に含めるには自治体への手続が必要な場合があります。

小学生〜高校生の学生はもちろん、成人した子であっても大学生で仕送りをしていたり自活しきれていない子も対象になります。

別居している子は、自治体で把握できないので住民票などの提出を求められる場合があります。

市町村民税所得割が57、701円以上のとき

世帯(父母)の市町村民税額が57、701円以上の場合、子供の人数は「小学校就学前の子供で認可保育所等の施設を利用している子供」の人数を数えます。

認可保育所等とは、認可を受けている保育所・認定こども園・小規模保育事業・家庭的保育事業(保育ママ)・事業所内保育事業・居宅訪問型保育事業(ベビーシッター)や、特別支援学校幼稚部・情緒障害児短期治療施設通所部・障害児通所支援・医療型児童発達支援を言います。無認可や自治体独自の認証保育所は基本的に該当しません。

要するに、市町村民税の額が高い方が子供の数え方が厳しいわけです。一応、具体例を見てみましょう。

具体例1

以下のような世帯を考えてみます。

  • 中学3年の子
  • 保育園に通う5歳児の子
  • 保育園に通う1歳児の子

このときの保育料はこうなります。

世帯の市町村民税所得割額が57、700円未満の場合

  • 5歳児の子:第2子(保育料半額)
  • 1歳児の子:第3子(保育料無料)

世帯の市町村民税所得割額が57、701円以上の場合

  • 5歳児の子:第1子(保育料は満額)
  • 1歳児の子:第2子(保育料半額)

子供1人分の保育料が満額かかるかタダになるかの違いがあります。この差、結構でかいです。

具体例2

もう一つ具体例を。

  • 中学1年の子
  • 小学3年の子
  • 保育園に通う4歳児の子

このときの保育料はこうなります。

世帯の市町村民税所得割額が57、700円未満の場合

  • 4歳児の子:第3子(保育料無料)

世帯の市町村民税所得割額が57、701円以上の場合

  • 4歳児の子:第1子(保育料は満額)

保育料がタダになるか満額になるかの違いがあります。

この2つの例で、子供の数え方の違いが保育料に与える影響の大きさがわかったかと思います。

ひとり親世帯はさらにお得に

ひとり親の方だと、次の2点が優遇されます。

  • 子供の数え方が変わる基準が、市町村民税所得割額77,101円とゆるくなる
  • 市町村民税77、101円未満なら、第2子は保育料半額ではなく保育料無料になる

まとめ

多子世帯だと保育料が優遇されるというのはとても嬉しいですが、その反面その仕組みがとてもわかりづらいものになっています。

また、自治体によっては独自でさらなる軽減を実施していたり、子供の数え方が変わる基準額が57,700円ではない場合もありますので、詳細な取扱いはお住いの自治体のパンフレットや冊子を確認してみましょう。

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